2011年11月25日金曜日

獨協大学で特別講義


獨協大学で特別講義をしました。
テーマは「就職前に知って欲しいこと」。
ツイッターやブログの安易な書き込みから、人生を棒に振ることのないように。
ソーシャルメディアと企業の利用、その現場について。
教室に入れきれない学生が集まってくれました。

                                                                                        


思えば、自分が大学を卒業したのが1980年ですから
かれこれ30年ちょっとになります。
アップルのスティーブ・ジョブスがマッキントッシュを発売したのがちょうどその頃。
思い起こせば、私たちの世代はパソコンの誕生と普及の歴史とともに
歩んできたように思います。


その中でもっとも大きな変革の波は、インターネットの出現でした。
本格的に商業利用が始まったのは、90年代の後半からですが
ネットの荒波が、既存のメディア(4マスと言われる、新聞、テレビ、出版、広告)
を揺さぶります。
だれでも好き放題に、書きしゃべり映像に残すことがことができる「自分メディア」の時代。
そんな時代に生きていることを、忘れてはなりません。
どこで自分の個人情報がネットで話題になっているか、
自分のプライバシーがネットに漏えいしているか。
スマートフォンの普及で、そのリスクが倍増しています。


ネットでは過去の情報を消し去ることは難しいのですから。
ネット上にアップする前に、十分に読み返し、吟味してから出すようにしましょう。







2011年11月16日水曜日

フェイスブックで失敗!

人には偉そうに「書き込みには気をつけよう!」と言ってる自分が
フェイスブック(FB)で失敗してしまった。
大学の友人から「これはまずいよ」とお叱りを受けたのである。

FBにはお誕生日表示機能というのがある。
といっても、友だち登録している人の誕生日が近づくと
画面で自動表示されるだけなのだが、
それで気づいて友だちにメッセージを寄せる、という仕組みになっている。

私の誕生日は今月だが、それをみたFB友だちが
多数メッセージを、私のウォール(掲示板)に書き込んでくれた。
その中に、大学の友人であるS君がおり
彼から「これからも一緒に転がり続けような!」という熱い激励が来た。
人生いろいろあるが、苦しい時も楽しい時も転がり続けようとのメッセージ。

大学時代からの悪友なので「転がり続けたいが、転がり落ちないようにしないと」
と僕が返事を書き、ついでに「弁護士バッジを裏返しにして、また飲みに行こう」
と、ついつい書いてしまった。
このついでに書いてしまったことが、S君にとっては良くないことと知ったのは
2日経ってから、彼からの電話で知った。

「あの弁護士バッジを裏返して・・・云々というのは、まずいよ。」
彼の話では、FB上で自分は弁護士ということを名乗っていないし
そんなFBの使い方をしていない。だから消してほしいというものだった。
裏返すことはよくあることなので、そのことでなく弁護士であることを出したくない
と、いうのが彼の本意だった。

勤務地を法律事務所と書いてあるし、僕は彼が弁護士稼業をしていることを
書く事がまずいとは思わなかったのだが、S君にとってはまずいことだったようだ。
すぐお詫びして、自分のウォールからコメントを削除した。彼からの
お祝いのメッセージも一緒に消えてしまうというおまけつきで。

今回の教訓は、本人が個人情報に勤務先を書いているからといって
当人の職業を他人があえてバラすということが、まずい場合がある、
ということである。思い込みで書いたことがとんでもないことに
発展することもあるのだ、ということが今回の失敗でよくわかった。

ツイッター炎上と違って、フェイスブックは不特定多数へ表示されないから
ついつい友だちの日頃のノリ感覚で、コメントしてしまいがちだ。
今回は、恥を忍んでみなさんの役に立つと思い、書きました。

みなさんにはどのような失敗があります?それとも、失敗はない?






2011年10月24日月曜日

フジTVのとくダネ!で、解説します。

10月25日、フジTV朝の とくダネ!で、
スマートフォンの落とし穴について、お話します。
放映時間は、9時20分頃の予定。

拙著「スマートフォン術情報漏えいから身を守れ!」(朝日新書)を
番組ディレクターが読んでくれて、電話のあったのが10月14日。
番組の企画として考えたいので、話を聞かせてほしい、とのこと。

そこで話したことは「今、スマホのアプリがウィルス感染で問題になっているが
それは氷山の一角。それよりもっと大事な、みなさんが注意しないといけない
情報セキュリティがありますよ」というもの。

企画会議の結果、「スマートフォンの落とし穴」のマイナス面だけでなく、スマートフォンを持っていない人が興味を持てるようにということから、面白いアプリなどを最初に紹介したうえで、その後に怖さを取り上げる、という構成になったようです。

怖さの面では、いわゆる「乗っ取り」ウィルスの紹介や位置情報による個人の特定や、
それで被害に遭った人も登場します。

私はソーシャルメディアのリスクが専門なので、
「どうやったら位置情報が特定されてしまうか」について、ツイッターで簡単に解説しました。
レポーターは、ラジオパーソナリティで、フリーアナウンサーの荘口彰久さん。

最初に番組のシナリオがあって、それに沿ってしゃべるということから、言い足りなかったことが
多々あり、それは、「情報漏えいって、自分で知らない間に、自らがしてしまっている」
「スマホは自己責任で使わないとダメな、情報端末です」ということ。
あとは番組を観てください。
(私のところは、カットされるかもしれませんが・笑)







2011年9月13日火曜日

『スマートフォンの活用と情報漏えい』について、お話します。


『スマートフォンの活用と情報漏えい』について、1時間お話しします。



無料で見れます。 配信期間:2011/9/13~2011/9/30

ネット講演なので、興味のある箇所だけ飛ばし試聴も可能。

会社でスマートフォンをビジネスに活用している、またはこれから活用を考えている方は、

バーチャルイベントに来場登録の上、視聴してください。

(講演内容)

拙著「スマートフォン術 情報漏えいから身を守れ」(朝日新書)の中から、

「狙われる個人情報」「情報漏えいで左遷されない仕事術」

「クラウド時代の情報漏えい対策」

を中心に解説します。

2011年7月3日日曜日

本日の日経新聞朝刊で「スマートフォン術 情報漏えいから身を守れ」が掲載に。

しばらく放ったらかしになっていたブログですが、またちょっとづつ書こうと思います。
この間、フェイスブックでの滞在時間が多くなり、ブログから遠ざかってしまったのが原因です。

二つニュースがあります。


一つは、今朝の日経新聞で、拙著「スマートフォン術 情報漏えいから身を守れ」(朝日新聞出版)が取り上げられました。知人がフェイスブックで教えてくれて掲載を知った次第。良かった、やってて(笑)。

「今を読み解く スマートフォン普及社会」進化する情報活用術  慶応大学教授 國領二郎氏
 震災は多くの人に情報が生命線であることを改めて感じさせてくれたのではないだろうか。安否確認から必須物資の調達まで、情報の有無が身の安全に直結する。
そんな情報の世界で大きな変革が生まれつつあり、その象徴となっているのがスマートフォン(多機能携帯端末)である。個人的にも、揺れ直後からツイッターやフェースブックなどのソーシャルネットワークは、マスメディアでは分からない、自分に身近な仲間内
の状況を刻々伝えてくれた。


二つ目は、日本スマートフォンセキュリティフォーラム(JSSEC)への加盟です。現在90社以上が集結しており、私が理事長を務める社団法人情報セキュリティ相談センターも、加入しました。   http://www.jssec.org/about/index.html


企業・組織団体等の利用者が安心して高度なサービスを受けられるよう、提供者側で実装すべきセキュリティレベルの理解を社会に浸透させることを目的にしています。この団体は、立ち上がったから1ヶ月あまりですが、いま3つの部会(技術部会、利用部会、PR部会)に分かれて、さらにWG(ワーキンググループ)をつくって、活動を開始しました。私自身も、3つの部会に入り、PR部会のメディアリレーションズWG(マスコミほかメディア関係への普及啓発と取材、講演対応)の責任者として、活動します。
このブログを通じて、ときどき情報発信をしていこうと思います。(フェイスブックページを主にやるかもしれません)






2011年4月26日火曜日

田淵義朗のブログ: ウクライナ美女が"千と千尋~"主題歌を熱唱 Nataliya Gudziy sings "Spiri...

田淵義朗のブログ: ウクライナ美女が"千と千尋~"主題歌を熱唱 Nataliya Gudziy sings "Spiri...: "説明は要りません。 チェルノブイリ原発から、3.5キロの場所に 住んでいたナターシャが 大事なメッセージを日本人に寄せてくれています。 前半はメッセージ、後半は歌です。 NHKありがとう。 できたらもっと皆が観る時間に、再放送頼みます。"

ウクライナ美女が"千と千尋~"主題歌を熱唱 Nataliya Gudziy sings "Spirited Away"





説明は要りません。


チェルノブイリ原発事故から、今日で25年。
原発から3.5キロの場所に住んでいたナターシャが、大事なメッセージを日本人に寄せてくれています。


前半はメッセージ、後半は歌です。
NHKありがとう。
できたらもっと皆が観る時間に、再放送頼みます。




2011年4月17日日曜日

田淵義朗のブログ: Before and After the Quake and Tsunami

田淵義朗のブログ: Before and After the Quake and Tsunami: "知人の大学教授がメールで送ってくれたものです。 地震と津波のビフォー&アフター。 Before and After the Quake and Tsunami 地震と津波の「Before and After」の衛星写真です。真ん中の線をマウスで押さえて左右にひっぱると災害が襲..."

Before and After the Quake and Tsunami

知人の大学教授がメールで送ってくれたものです。
今回の津波の破壊力がよくわかります。

Before and After the Quake and Tsunami

地震と津波の「Before and After」の衛星写真です。真ん中の線をマウスで押さえて左右にひっぱると災害が襲う前と後の対比がよく分かります。


今回の地震では、地面が東方向に最大で5メートル以上動き地盤も1メートル以上沈下したそうです。
通常地面は、1年間に数センチの移動しかないそうです。


最近内陸部を震源とする余震が頻発していますがこうした引っ張る力の反発で活断層が動きを強めているとか。


今起きているのは太平洋プレートとの関連ですがフィリピン海プレートの動きはこれに影響されないのだろうか、小田原地震、東海地震が心配です。
専門家の声があまり聞こえてこないので、ちょっと気になっています。

2011年4月13日水曜日

田淵義朗のブログ: レベル5からレベル7。後出し危機管理の酷さは目に余る。

田淵義朗のブログ: レベル5からレベル7。後出し危機管理の酷さは目に余る。: " 13日の記者会見で、枝野官房長官は3月末までに保安院からレベル7に引き上げる可能性の報告を受けていたとのこと。  これは酷いですね、まったく。  何故4月12日の発表になったのか、その理由が「確信を持って言える状況ではなかったから」だそうだけど、いかにも弁護士出身の官房長官らし..."

レベル5からレベル7。後出し危機管理の酷さは目に余る。

 13日の記者会見で、枝野官房長官は3月末までに保安院からレベル7に引き上げる可能性の報告を受けていたとのこと。

 これは酷いですね、まったく。

 何故4月12日の発表になったのか、その理由が「確信を持って言える状況ではなかったから」だそうだけど、いかにも弁護士出身の官房長官らしいコメント。証拠と事実の把握が出来ないと発表しないというね。
 
 この1カ月ずっとこんなことやってるから、後手後手になるんだな。危機管理で大事なのは、悪い情報は早目に全部出すことなのに

 「最悪の場合はこうなる」「楽観的な数字ではこうだ」という何通りかの仮想シミュレーションを提示してさ。
 「でも現状正確な数字は把握できていないので」とか丁寧に説明すれば、聞いてる側も理解できるのにね。

2011年4月9日土曜日

田淵義朗のブログ: RCサクセション「サマータイムブルース」を聴いて

田淵義朗のブログ: RCサクセション「サマータイムブルース」を聴いて: "「原発危ねえ」「原発いらねえ」 清志郎が80年代末に歌った懐かしい曲です SUMMER TIME BLUES この頃はまだ言葉狩りもなく、社会が寛容だった広瀬隆がスリーマイル事故をきっかけに「東京に原発を」を別冊宝島で出版しRCサクセションを月刊宝島が連載でずっと取りあ..."

RCサクセション「サマータイムブルース」を聴いて

「原発危ねえ」「原発いらねえ」
清志郎が80年代末に歌った懐かしい曲です



SUMMER TIME BLUES




この頃はまだ言葉狩りもなく、社会が寛容だった
広瀬隆がスリーマイル事故をきっかけに
「東京に原発を」を別冊宝島で出版し
RCサクセションを月刊宝島が
連載でずっと取りあげていた時代です



当時その出版社で働いていたけど
仕事を通してしか彼らを見ていなかった

自分もそうだけど、当時のサブカルチャー世代は
この20年間何をやって来たのだろうか

福島第一原発で起きている
放射能で汚染され、遺体収容が進まない
そのニュースを見て、ただただ涙が出る

電気をガンガン使う、空気だと思っていた自分
エネルギーのことなんか、全然考えてなかった
原発はきっと安全なんだと、思ってた

いま、世代を超えて
ここでしっかり立ち止って
考えることが大事な時です
自分たちの子供や孫のために


2011年4月2日土曜日

田淵義朗のブログ: 何が正しい情報かわからない、そんな時が危ない

田淵義朗のブログ: 何が正しい情報かわからない、そんな時が危ない: "3月30日の深夜、次のような記事がネットに流れました。「IAEAは、福島原発一号機が再臨界したかもしれないと、ウィーンでの記者会見で語った」というもの。 私は、ニュースソースがブルムバーグだったこと、深夜で頭がボーとしていたこともあって、こりゃ大変だと思い、小中学校の同窓会の掲示..."

何が正しい情報かわからない、そんな時が危ない

3月30日の深夜、次のような記事がネットに流れました。
「IAEAは、福島原発一号機が再臨界したかもしれないと、ウィーンでの記者会見で語った」というもの。

私は、ニュースソースがブルムバーグだったこと、深夜で頭がボーとしていたこともあって、こりゃ大変だと思い、小中学校の同窓会の掲示板と、友人の何人かにメールで流してしまいました。

ところが31日の翌朝になってどこのマスコミも、ニュースとして取りあげていない。そうこうしているうちに、流した先の友人の翻訳家から「よくあるんだよ、誤訳が。裏取った?」
との電話あり。しまったと思い調べたら案の定・・・。


誤訳じゃなくて、記者会見で質問者が過去の論文を引き合いに出し、それに委員が「局所的にその可能性もある」と答えたにすぎない話であることが分かったのでした。
未だ再臨界の可能性もゼロではないから、全くの間違いではないのだが、拙速に流してしまった自分が恥ずかしい。常日頃、ネットで流れるニュースには気をつけよう、と言ってる本人がこのザマです。

ところで震災絡みのネットでの悪質デマについて、警察庁が立件も視野に捜査するぞ、と警鐘をならしています。
以前、日経BPNetの連載でも書いたことがありますが、佐賀銀行がつぶれるというデマを携帯メールで流した女子大生が逮捕された事件がありました。これは本人初でなく、他人からのメールを拡散しただけで、悪意でなく善意から出たものでした(後に不起訴となる)

「ジャーキーチェンが死亡」のデマならセーフでしょう(本人が訴えれば別)が、被災地の人々を惑わす流言飛語は、アウトの可能性が高いから、注意が必要です。
念のため警察庁の公表例の一部を挙げておきます。
・外国人の武装集団が盗みをしている
・女児の誘拐事件が相次いでいる
・偽の給油整理券と引き換えに現金を騙し取られる事件が相次いでいる

私の故郷の神戸でも、大震災の時に「性犯罪が多発している」などのデマが飛び交いました。当時はインターネットが普及していなかったので大きく問題になりませんでしたが、今は違います。





2011年3月21日月曜日

田淵義朗のブログ: 「東京に原発を」著者の広瀬隆氏のインタビュー

田淵義朗のブログ: 「東京に原発を」著者の広瀬隆氏のインタビュー: " 私が宝島社(JICC)に勤務していた1981年当時、別冊宝島の編集長をされていた石井慎二氏(故人)が世に問うた「東京に原発を」の著者である広瀬隆氏が、ビデオニュースドットコムのインタビューに答えています。  原子力が本当に安全であるなら、東京の新宿に原子炉を作れ、という当時とし..."

「東京に原発を」著者の広瀬隆氏のインタビュー

 私が宝島社(JICC)に勤務していた1981年当時、別冊宝島の編集長をされていた石井慎二氏(故人)が世に問うた「東京に原発を」の著者である広瀬隆氏が、ビデオニュースドットコムのインタビューに答えています。

 原子力が本当に安全であるなら、東京の新宿に原子炉を作れ、という当時として問題の書でした。原発専門家からは、素人の分際で不安ばかり煽って、と散々でした。1981年に発刊され、5年後に集英社文庫からも出たので、読まれた方もいると思います。

 しかし30年後のいま、福島第一原発で起きている現実を見れば、広瀬氏の問いかけに何と答えるのでしょうか。福島に行って「それでも原発は安全だ」と言えるのか。放射能の漏えいはいつまで続くのか、マスコミ報道からまだ何も伝わって来ません。

 とにかく、まずビデオを見て下さい。

 信じるか信じないかは、各人の判断です。誇張された部分もありますが、そこからいま起きている事実と照らし合わせてみると、新たな発見があるかもしれません。
 
 私も原発についてはど素人ですが、いくつもの発見をすることができました。どの情報を信じ、また信じないか。自らのセキュリティのために、情報を選ぶこと。こういう時期ですから、少しでも多くの情報を得て、取捨選択すべきでしょう。
ご判断は各人にお任せします。

落ち着いたら、こちらの本もどうぞ。