2011年4月2日土曜日

何が正しい情報かわからない、そんな時が危ない

3月30日の深夜、次のような記事がネットに流れました。
「IAEAは、福島原発一号機が再臨界したかもしれないと、ウィーンでの記者会見で語った」というもの。

私は、ニュースソースがブルムバーグだったこと、深夜で頭がボーとしていたこともあって、こりゃ大変だと思い、小中学校の同窓会の掲示板と、友人の何人かにメールで流してしまいました。

ところが31日の翌朝になってどこのマスコミも、ニュースとして取りあげていない。そうこうしているうちに、流した先の友人の翻訳家から「よくあるんだよ、誤訳が。裏取った?」
との電話あり。しまったと思い調べたら案の定・・・。


誤訳じゃなくて、記者会見で質問者が過去の論文を引き合いに出し、それに委員が「局所的にその可能性もある」と答えたにすぎない話であることが分かったのでした。
未だ再臨界の可能性もゼロではないから、全くの間違いではないのだが、拙速に流してしまった自分が恥ずかしい。常日頃、ネットで流れるニュースには気をつけよう、と言ってる本人がこのザマです。

ところで震災絡みのネットでの悪質デマについて、警察庁が立件も視野に捜査するぞ、と警鐘をならしています。
以前、日経BPNetの連載でも書いたことがありますが、佐賀銀行がつぶれるというデマを携帯メールで流した女子大生が逮捕された事件がありました。これは本人初でなく、他人からのメールを拡散しただけで、悪意でなく善意から出たものでした(後に不起訴となる)

「ジャーキーチェンが死亡」のデマならセーフでしょう(本人が訴えれば別)が、被災地の人々を惑わす流言飛語は、アウトの可能性が高いから、注意が必要です。
念のため警察庁の公表例の一部を挙げておきます。
・外国人の武装集団が盗みをしている
・女児の誘拐事件が相次いでいる
・偽の給油整理券と引き換えに現金を騙し取られる事件が相次いでいる

私の故郷の神戸でも、大震災の時に「性犯罪が多発している」などのデマが飛び交いました。当時はインターネットが普及していなかったので大きく問題になりませんでしたが、今は違います。





0 件のコメント:

コメントを投稿

コメント有難う!by田淵義朗