2013年4月12日金曜日

疑問符だらけのネット選挙法案

ネット選挙法案が衆議院で可決され、月内中にも成立する見通しになった。
今回、プレジデント社で記事にするため、
ネット選挙で先を行く韓国に突撃取材した。
当初持っていた自分の疑問に、明確な答えが返ってくるだろう
小さくなるだろうと思っていたのだが、それどころか返って
自分の中で疑問符だらけになってしまった。

そもそも公職選挙法で選挙の告示から、一切ホームページの更新やら
ツイッターでの発信が出来なかった、という今までが異常だった。
その異常さも、有権者の側からは何の疑問も投げかけられず
橋本大阪市長が「ツイッターで発信し続けますよ」と言えば
総務省が「選挙違反になる可能性があります」の回答を
マスコミはそのまま記事で流す、という、まあほとんど無関心の中で
進んできたのが実際のところだろう。
それが、ネット選挙法案(公職選挙法改正なのだが)が
可決成立する運びになって、
急にマスコミが一斉に取り上げ初めて何が変わるのかやら、
問題点だのいろいろ持ち出しては連日ニュースにしている。
(自分もそれに便乗して、記事にするわけだが・笑)

この法案、選挙期間中のネット利用を原則OKにしましょう、というのだが
そもそも、選挙期間以前なら、ネットを利用して有権者に情報を発信し
「自分の考え」や「自分への支持」を訴えることは、全くの自由だったし
何の制限もなかったのである。政党の広告もしかり。
インターネットを利用することが、急に出来るようになったのでも何でもない。

ではなぜ、今になってこんなに大騒ぎななるのか。
それが自分にはわからない。正直に言えば。
今週の日曜日までに原稿をまとめないとならないのだが
わからない疑問符が次々出てきて、合理的に考えれば考えるほど、
今回のネット法案は「過渡的なもの」と感じる。

日本人は、とかく法律に弱い。
というより、いったん法律が出来てしまうと
疑問もなくそれに従わないとダメ、と考える傾向がある。
その前提が出発点だから、今度のネット法案でも
議員の視点から選挙活動がどうなるかとか、
何が変わって何が出来るようになるとか、
与野党で出ている制度の話やら、起きてくる悲観的な問題点(リスク)など
そんな話ばかりで、一般庶民には、まことわかりにくいのだ。

いやむしろ分かりにくく、わざと解説しているのだろうか、
それとも記者がネットに疎いために掘り下げて書けないのか不明だが、
昨日観ていたテレビニュース番組で、ある政治評論家が、最後には
「ネットが使えない有権者をどうするか、ここを考えないとダメでしょうね」
などと、知ったかのような話をしているのを聴くに及んで
ああこの落ちなのかあ、と落胆隠せませんでした。

今週の日曜日には、出版社に原稿を送らないとならないから
グダグタになっても、自分で納得いくように整理するつもりだ。
うまくまとめようと考えるのはやめた。
読者に疑問を投げかける形で書こうと思う。

いや、現状は、それしか書けないな。
でも韓国のネット選挙事情については、けっこう書くつもり。
4月下旬発売の雑誌プレジデントに3ページで掲載予定です。
興味のある人は、ぜひ読んでみてください(まだ原稿できてないけれど)。









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コメント有難う!by田淵義朗